ギターでコードを弾くときなどに、カポタスト(カポ)は欠かせないアイテムであり、カポを使うことで、キーを簡単に変更できるので、演奏の幅が広がります。
特に初心者にとっては、難しいコードを避けつつ、さまざまな曲を楽しむための強力なツー
ルとなります。
しかし、カポには様々な種類があり、それぞれに独自の特徴と利点があります。
今回は、クリップ式、レバー式、ネジ式、ゴムバンド式、そしてローリング式カポの5つのカポタストについて、紹介していきます。
あなたにぴったりのカポを見つけるための参考にしてみてください。
クリップ式カポ
クリップ式カポは、多くのギタリストに愛用されるタイプのカポタストです。
筆者もライブなどではG7thのクリップ式カポを何年も使っていますが、バネが弱ることもなく長持ちしています。
その最大の特徴は、取り付けと取り外しが非常に簡単で、スピーディーに操作できる点です。クリップ式カポは、強力なバネを使用してギターのネックに挟むことで固定されます。片手で簡単に操作できるため、演奏中に素早くキーを変更したい場合に非常に便利です。
具体例として、G7thやKyser、Shubbといったブランドのクリップ式カポが挙げられます。これらの製品は耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を提供します。
メリット
簡便さと迅速さ
クリップ式カポはワンタッチで取り付けられるため、ライブ演奏中に一瞬でキーを変更でき、演奏がスムーズに進行します。
例えば、ライブで次の曲に移る前にキーを変えたい時や、練習中に異なるキーの曲を続けて練習したいときなどに、クリップ式カポはとても便利です。
多様なデザイン
様々なカラーやデザインがあり、自分のギターや個性に合わせて選べる楽しみがあります。
デメリット
バネの強さによる音程の狂い
バネが強すぎると弦に過剰な圧力がかかり、音程が狂う原因になります。逆に、バネが弱いと弦をしっかり押さえられず、音が不安定になります。
レバー式カポ
レバー式カポは、ネックに取り付ける際にレバーを使って固定するタイプのカポタストです。レバーを操作することで簡単に装着・取り外しができるため、安定した固定力とスピーディーな操作が特徴です。
このタイプも筆者はG7thを使っていて、主にアコギで使っています。
エレキに使うと少し重いので立って弾いているとほんの少しヘッドが落ちる感じがしますが、使用感に全く問題はありません。
メリット
安定した固定力
レバーを使用することで、ネックにしっかりと固定されるため、音程の狂いが少なくなります。これは、スタジオ録音やライブ演奏など、音程の正確さが求められるシチュエーションで特に有効です。
例えば、G7th PerformanceやD’Addario NS Artist Capoなどのレバー式カポは、プロのギタリストからも高評価を受けています。これらのカポは、安定した固定力と使いやすさを兼ね備えており、ライブやスタジオでの使用に最適です。
片手での操作が可能
レバーを引くだけで取り付け・取り外しができるため、演奏中でも片手で素早くキーを変更できます。例えば、曲の途中でキーを変更する必要がある場合にも対応しやすいです。
デメリット
サイズと重量
レバー式カポは、クリップ式に比べて若干大きめで重量が増す場合があります。特に持ち運びを重視するギタリストにとっては、やや不便に感じることがあります。
価格が高い場合がある
レバー式カポはその設計と性能から、他のタイプに比べて価格が高めになることがあります。初心者にはコストが気になる場合があるでしょう。
ネジ式カポ
ネジ式カポは、ネジを回して圧力を調整しながらギターのネックに固定するタイプのカポタストです。微調整が可能で、弦への圧力を最適化することができるため、音程の安定性を重視するギタリストにとって非常に魅力的な選択肢です。
例えば、ShubbやPaigeなどのブランドは、ネジ式カポの代表的なメーカーです。これらの製品は、精密な調整が可能で、プロのギタリストからも高い評価を受けています。
筆者が持っているのはShubbのカポで、ネジで微調整できるのはいいのですが、結構ちょっとした手間なので結局クリップ式やレバー式ばかり使ってしまいます。
メリット
圧力の微調整が可能
ネジを回すことで、弦にかかる圧力を細かく調整できるため、音程の狂いを最小限に抑えることができます。これは特に録音やスタジオでの使用において大きな利点です。
弦への負担が軽減: 適切な圧力をかけることで、弦やギターのネックに対する負担を軽減することができます。これにより、楽器の寿命を延ばすことにもつながります。
デメリット
取り付け・取り外しに時間がかかる
ネジを回して調整するため、クリップ式やレバー式に比べて取り付けと取り外しに時間がかかります。ライブ中に素早くキーを変更する必要がある場合には不便です。
サイズが大きい場合がある
ネジ式カポは構造上、他のタイプに比べて大きめになることが多いです。これが演奏時に邪魔になることもあります。
ゴムバンド式カポ
ゴムバンド式カポは、その名の通りゴムバンドを使用してギターのネックに固定するタイプのカポタストです。シンプルな構造で、軽量かつ持ち運びに便利なことから、一部のギタリストに愛用されています。
70年代ごろにフォークソングを弾く方が結構使用されていたようなイメージがあります。
メリット
軽量で持ち運びが容易
ゴムバンド式カポは非常に軽量で、ギグバッグのポケットやポーチに簡単に収納できます。例えば、旅行やアウトドアでの演奏にぴったりです。
安価
他のタイプに比べて価格が非常に手頃で、初心者でも気軽に購入できます。初めてカポを使う方には特におすすめです。
シンプルな構造
ゴムバンド式カポは取り扱いが非常に簡単で、複雑な操作が不要です。初心者にも使いやすい設計です。
例えば、長時間の練習や複数のギターを使い分ける際に、軽量で安価なゴムバンド式カポは便利です。
デメリット
固定力が弱い
ゴムバンドの特性上、固定力が他のカポに比べて弱く、弦をしっかり押さえられない場合があります。これにより、音が不安定になりやすいです。
耐久性が低い
ゴムバンドは時間と共に伸びたり劣化したりするため、長期間の使用には向いていません。頻繁に交換が必要になることがあります。
調整の柔軟性が少ない
ゴムバンド式カポは、圧力の調整が難しく、ネックの形状や弦の高さに応じた微調整ができません。
例えば、ライブや録音などの重要なシチュエーションでは、固定力や耐久性の面で不安が残るため、他のタイプのカポを選ぶ方が良いでしょう。
ローリング式カポ
ローリングカポは、ローリング構造を採用し、親指一本で簡単に転調が可能なため、演奏中にコードフォームを変えずにキーを変更できるという画期的な特徴を持っています。
著名なミュージシャンたちが愛用することで知られる優れたアイテムで、チューニングの安定性や長期間の使用に耐える品質が大きな魅力です。
メリット
演奏中の転調が容易
親指一本で簡単にカポの位置を移動できるため、曲の途中でもスムーズに転調が可能です。これにより、パフォーマンス中のキー変更がスムーズに行え、表現の幅が広がります。
チューニングの安定
フレット移動時にチューニングがズレにくい設計になっているため、演奏中に頻繁にカポを動かしても音が狂いにくく、安定した演奏が期待できます。
デメリット
装着の難しさ
装着時に結構力が必要で、特に女性や年配の方には取り付けが難しい場合があります。
装着の硬さがストレスになることがあるようです。
価格が高め
他のカポに比べて価格が高めであることから、購入を迷う方があるかもわかりません。
まとめ
カポタストには様々な種類があり、それぞれに特有の利点と欠点があります。クリップ式カポは取り付けが簡単でライブ中のキー変更に便利ですが、バネの強さに注意が必要です。レバー式カポは安定した固定力があり、録音に最適ですが、やや大きめです。ネジ式カポは圧力を微調整できるため音程が狂いにくく、長時間の演奏に適しています。ゴムバンド式カポは軽量で持ち運びが容易ですが、固定力が弱めです。そして、ローリングカポは移動が容易で多くの著名なギタリストに愛用されています。
ギタリストとしての目的や使用シチュエーションに応じて、自分に最適なカポを選ぶことで、演奏の幅が広がり、より豊かな音楽体験が可能となります。
様々なカポを試して、自分のスタイルに合ったものを見つけることをおすすめします。
素敵なギターライフを楽しみましょう!