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【ボトルネック奏法】スライドバーの使い方

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ボトルネック奏法を弾いてみたいけど、初心者なので、誰でもできるレベルで手順を解説して欲しいなあ。
円形状のバーを指にはめて、弦の上を滑らせて弾くボトルネック奏法(スライドギター)は、なんだかとても興味はあるんだけど、チューニングを変えたり、指で弾いたりするのが、ちょっと面倒だなあ、とか思ったりしてませんか。
本記事では、ボトルネック奏法(スライドギター)について紹介します。

ボトルネック奏法(スライドギター)とは

ボトルネック奏法とは、ガラス製やセラミック製(陶器)、スティール製などのスライド・バーと呼ばれる筒状の棒を指に装着し、弦の上をスライドさせながら弾く奏法のことで、スライドギターと同義で使われることが多いようです。
1970年代は、ライ・クーダーやオールマン・ブラザーズ・バンド、リトル・フィート、ジョニー・ウィンター、ボニー・レイット、レーナード・スキナード、J・J・ケールなど、スライドギターを大々的に取り入れていたロック・ミュージシャンも多くいて、ボトルネック奏法(スライドギター)の宝庫でした。

スライド・バーは何指にはめる?

一般的に薬指か小指にはめるギタリストが多いのですが、人差指以外なら基本どの指にはめても問題ありません
スライド・バーを実際に指にはめてみて、弾きやすくてしっくりくる指を選びましょう。

薬指
最も安定感があり、バーのコントロールがしやすい。
ギタリスト:デレク・トラックス、デュアン・オールマン、ジミー・ページ、ジョー・ペリーなど
小指
押弦とボトルネック奏法との併用がしやすい。
ギタリスト:ジョニー・ウィンター、ライ・クーダー、エリック・クラプトン、ローウェル・ジョージ、サニー・ランドレスなど
中指
意外に採用するギタリストも多く、押弦との併用もしやすい。
ギタリスト:ジェフ・ベック、ロン・ウッド、ボニー・レイットなど

ちなみに筆者は、スライド・バーに詰め物をして小指に固定し、ジョニー・ウィンターのように小指の第二関節が曲げられるようにして、さらに指が下に向いてもスライド・バーが落ちないようにしています。スライド・バーを指にしっかり固定してあるので、指板上をあっちこっち自由に行き来することができるのでおすすめです。


この場合、重すぎるスライド・バーを選ばないよう気を付けましょう!

スライド・バーの種類

スライド・バーには、形状、材質、色、音色などたくさんの種類があります。極端にいうと表面が研磨されていて硬ければ、何でもスライド・バーとして代用することができます
ちなみに、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」第12話で、ぼっちちゃんがボトルネック奏法でスライド・バーの代わりに使用したものは、「ワンカップの瓶」でした。

スライドバーには、ガラス製、スティール製、ブラス製、ステンレス製、陶器製などがあり、その他にも石製や木製もあったりします。

ライ・クーダー:シェリー酒のガラスのボトルネック
デュアン・オールマン、デレク・トラックス:風邪薬のガラス瓶
エルモア・ジェームス:真空管に付いている金属チューブ
ジョニー・ウィンター:配管用の金属製の水管

ボトルネック奏法(スライド・ギター)の基本

スライド・バーの弦への当て方

ボトルネック奏法というと、全部の弦にスライド・バーを当てて弾いているイメージがあるかも知れませんが、1弦や6弦を弾くだけとか、必要な弦だけにスライド・バーを乗せて弾くことも多く、その場合はスライド・バーを傾けて当てるとノイズも少なくて済みます。
1本だけ(1弦または6弦に)スライド・バーが他の弦に当たらないように少し傾けながら、スライド・バーを軽く乗せて弾いてみましょう。
スライド・バーの位置はフレットの真上で、弦に押し付け過ぎず、弦の上を軽く滑らせるように弾いてみましょう。

ビブラート

スライド・バーをフレットと並行に左右に振るより、手首を支点にしてスライド・バーを扇形に振るようなイメージで思っているより振り幅を大きくしてみることをおすすめします。

ミュートの方法

エレキギターで単音弦をボトルネック奏法で弾くときには、ミュートがとても重要なポイントになってきます。アコースティックギターもミュートはするのですが、エレキギターほど繊細なミュートは必要なく、反対に曲によってはノンミュートの方が勢いも出て、そっちの方がいいときがあるくらいです。しかし、少し歪んだ音のエレキギターの場合は、ミュートをしっかりしないと不要な共振ノイズが目立ったり、ルーズでダラ~っとした音になってしまったりするので、アコースティックギターより細かい右手でのミュートが求められます。
ミュートは、ピック弾きであればピック・ストップでしっかりミュートして、ルーズなスライド・フレーズの中にミュートによる歯切れを出したりして、フレーズに変化を付けましょう。

 

オープン・チューニングの種類

ボトルネック奏法はレギュラー・チューニングで弾くこともできますが、多くはオープン・チューニング(何も弦を押さえずに開放弦をジャ~ンと鳴らしたときに既にコードが構成されているチューニング)を使用します。
よく使用するオープン・チューニングは、オープンGオープンEオープンDなどが一般的ですが、オープン・チューニングにすることで、一気にブルース色が強くなったり、ハワイアンな雰囲気になったり、弾くジャンルがある程度偏ってしまう傾向があります。
オープン・チューニングには、Dモーダル(D-A-D-G-A-D)やDADGADチューニングなどの変則チューニングもありますが、ボトルネック奏法においては一般的ではありません。

オープンG

チューニングを6弦から D-G-D-G-B-Dに合わせます。

オープンGの曲、「Runnning on Faith – Eric Clapton」
スライドギターは、リゾネーターギターによる落ち着いたスライドフレーズです。
こんなスライドギターが弾けたらいいですよね。
後半にはブルージーな渋いスライドソロが絡んできます。

スマホで1つでスライド奏法の動画を撮ってみました。出だし少し切れているのとアコギですいません。
サムピックを使っているのに、他の指を使っていないのは、アコギの弦が死に切っていて、人差し指や中指で弾いても音が全然前に抜けなかったためです(弦の張り替えが面倒だったのでそのまま弾きました)。普段は人差し指と中指もよく使います。
筆者がスライドギターの超初心者から1歩抜けたかなと思ったのが、マディウォーターズのこの曲(I Can’t Be Satisfied)が弾けたときでした。
マディウォーターズだけでなく、ジョニーウィンターや内田勘太郎さんなどたくさんのギタリストがカバーしているので、いろいろ聴いてコピーしてみるとスライド奏法の手数が増えますよ!おススメの曲です。

オープンE

チューニングを6弦から E-B-E-G#-B-Eに合わせます。

オープンEの曲、「Shake Your Moneymaker」
1弦開放を使ったスライド・バーによるプリング・オフなど、カッコいいスライドフレーズが溢れています。

オープンD

チューニングを6弦から D-A-D-F#-A-Dに合わせます。

オープンDの曲、「The Dark End Of The Street」
ライ・クーダーの繊細でやさしいタッチによる、強弱の効いた何とも気持ちのいいスライド・ソロです。

オープンA

オープンAは、オープンGを1音(2フレット)上げたチューニングになります。
チューニングは、6弦から E-A-E-A-C#-Eに合わせます。
オープンAにするメリットは、エレキギターの場合、アコースティックギターに比べてテンションが低いため、オープンAにすることで弦のテンションが上がり、ボトルネック奏法が弾きやすくなります。

それでは、オープン・チューニングにしたらコードをかき鳴らしてみましょう。
何も押さえない、またはスライド・バーをフレットに平行に置いて全弦を鳴らしてみると、ちゃんとした和音(コード)になっているはずです!

指弾きに挑戦

ピックを握りながら他の指を混ぜてみる。
いつも通りのフォームと感覚で弾けるのがメリット

ピックを置いて生指だけで弾いてみる
ピック弾きに比べてウォームな音になることで、親指の弾く音がボヤっとしてしまいがちです。ミュートはしやすくなります。

サムピックを使って弾いてみる
サムピックによるハッキリした低音が出るのと、ピックのような使い方もできるので、ボトルネック奏法でガンガン攻めたい人にはおすすめです。

その他の奏法

その他に、スライド・バーの後ろ側(スライド・バーとナットの間)にある押弦音を利用する「ビハインド・ザ・スライド奏法」というのがあります。
この奏法は、サニー・ランドレスが編み出したといわれていて、これが弾けるとフレーズの幅を一気に広げることができます。

ここまでのテクニックは難しすぎますが、ときどき自分のスライド・フレーズの中にちょっとだけ、本当にちょっとワンフレーズだけでもぶっ込むことはできるかも知れませんね。

まとめ

今回は、ボトルネック奏法について紹介しました。
1900年代初頭のアメリカで販売されていたギターは、高価なガット弦が主流だったそうですが、その後、ボトルネック奏法に適した安価なスティール弦が発売され、これらを手にした黒人労働者たちにより、“ブルース”と呼ばれる独自の音楽スタイルが誕生したといわれています。
ボトルネック奏法は、牛骨やナイフから始まり、その後、車の修理用のソケットレンチやお酒のビンのボトルネックを切り取ったもので弾いたりしていたといわれています。
ボトルネック奏法を習得することで、ギターの表現方法をさらに広げてもらえればと思います。

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ABOUT ME
凪ぺえ
日々のオフィスワークに追われながらも、心のどこかでいつも最高のギターサウンドが鳴り響いています。50代になっても、ギターを手にするときのワクワク感は変わりません。仕事で疲れた日も、ギターがもたらす無限の情熱と音楽を通じた人生の豊かさを皆さんと共有できれば幸いです。