ギタリストなら一度は耳にしたことがあるド定番のエフェクター、Ibanez TS-9 チューブスクリーマー。
「あの緑色のペダルね!」って思い浮かべる方も多いはず。でも、実際にどんな音がするのか、「使いこなせるかな?」って不安じゃないですか?
TS-9はただの歪み系じゃないんです。クリーンな音にちょっとした温かみとパンチをプラスしてくれるエフェクターなんです!
「歪みすぎない」「でも抜ける」その絶妙なバランスが人気の秘密。
今回は、そんなTS-9の音の特徴と、おすすめの使い方を徹底レビュー!
初心者からベテランまで、どんなシチュエーションでも使えるその魅力を解説します。
これを読めば、あなたも「やっぱりTS-9、手放せない!」ってなるかも!?
TS-9の音の魅力: 一体どこが特別なの?
Ibanez TS-9 チューブスクリーマー、通称TS-9。このエフェクターは1970年代後半から現在にかけて、多くのギタリストに支持されてきました。その人気の秘密は、その独特の音色にあります。
まず、TS-9の音の特徴は、中域の強調と軽やかで暖かみのある音にあります。この中域のブーストは、バンドアンサンブルの中でギターが際立ち、聞こえやすくなる効果があります。ソロプレイ時にも、この中域の特性はギターのフレーズを引き立ててくれます。
また、TS-9は過度に歪むことなく、アンプの自然な歪みをより品良く高めてくれるため、オリジナルのギタートーンを損なうことなく、より力強く、温かみのあるサウンドに仕上げてくれます。
さらに、TS-9の回路設計には、特定の周波数帯域をカットするフィルターが採用されているため、不要な低域や高域のノイズを排除し、クリアで定義のあるサウンドを生み出します。この結果、クリーンからクランチ、ハードな歪みまで、幅広い音色をこのエフェクター1つで実現することができます。
TS-9の魅力は、ギターサウンドの「核」となる部分を美しく、力強く際立たせる能力にあると言えます。そのため、歴史を通じて多くのプロフェッショナルギタリストから絶大な支持を受けています。
筆者は初めてのエフェクターとしてMAXONのOD808をもらったことがあったのですが、当時はアンプの歪みに上乗せする「ブースター」としての使い方を知らなかったため、「こんなにぜんぜん歪まないエフェクターってどうなの?」とすぐに手放してしまったことを思い出します。
歪み系のエフェクターを直列で繋ぐという考えが、ド素人だった筆者の頭の中にそもそもなかったのと、「そんなことしたら今度は歪み過ぎてブーミーな音になって使えないのではないか?」と思っていたことを覚えています。
今考えれば当時、ゲインはフルテンでとにかく歪むエフェクターを求めていたため、その良さに全く気付きませんでした。ちなみに、そのときに買い直したエフェクターはBOSSの「HEAVY METAL」でした。
そして、数年が経って改めて今度は、MAXON OD808ではなく、Ibanez TS-9を買い直すことになり今に至ると言う訳です。
基本の「き」から応用テクニックまで
Ibanez TS-9 チューブスクリーマーを手に入れたら、まず知っておきたいのがその基本的な使い方。
「基本のき」から、さらにそのサウンドをブラッシュアップする応用テクニックまでを解説します。
基本設定
TS-9には3つのノブがあります: 「トーン」、「レベル」、「オーバードライブ」。初めての使用時は、これらのノブを中心位置にセットすることをおすすめします。ここから、自分の好みやプレイスタイルに合わせて微調整を行ってください。
トーン
高域の調整。明るいサウンドを求める場合は右に、ダークで温かみのあるサウンドを求める場合は左に回します。
レベル
出力レベルの調整。アンプへのシグナルを強くしたい場合は右に回します。
オーバードライブ
歪みの度合いの調整。深い歪みを求める場合は右に、クリーンなトーンを求める場合は左に回します。
ブースターとしての使用
使うときはアンプで軽く歪ませておいた状態でギターソロのブースターとして使っています。中音域に特化した音は弾いていて非常に気持ちのいい音でとても気に入っています。
特にストラトキャスターとの相性がよく、アンプとの歪みにも良く馴染み、バンドでの音抜けもとても良いです。
単体で弾くと籠ったように聞こえるのですが、バンド全体のアンサンブルの中で聴くととてもバランスのいいエフェクターであることがよくわかります。
筆者は、普段VOXかLINE6のモデリングアンプを使っているのですが、コンパクト・エフェクターはTS-9をブースターとして1個だけ繋げています。
低音が利いたハードロックなどの重厚な音楽を弾くときも、TS-9を使用することで出過ぎてしまうローを抑えてタイトな音を出してくれます。
応用テクニック
他の歪み系エフェクターと組み合わせる
他のオーバードライブやディストーションと組み合わせて使用することで、多彩なサウンドを生み出すことができます。
ダイナミクスの活用
ピックの強弱やボリュームノブの操作で、絶妙に調整しながら歪みの度合いを変えてプレイすることで、表現の幅が広がります。
Ibanez TS-9 Tube Screamerの試奏動画
チューブスクリーマー同士で比較した動画を2つ紹介します。参考になれば幸いです。
プロギタリストはどう使っている?
Ibanez TS-9 チューブスクリーマーは、数多くのプロギタリストに愛用されています。
では、トッププロギタリストたちは、どのようにこの伝説的なエフェクターを活用しているのでしょうか?
Stevie Ray Vaughan(スティーヴィー・レイ・ヴォーン)
彼の名前とTS-9は切っても切れない関係です。スティーヴィーは、自身のシグネチャートーンの一部としてTS-9を使用していました。彼は複数のチューブスクリーマーを連結させて使用することで、深くリッチなオーバードライブサウンドを実現していました。
John Mayer(ジョン・メイヤー)
ジョン・メイヤーもまた、TS-9の熱心なファンの一人です。彼の場合、ブースターとしての側面を活かし、アンプのクリーンなトーンをわずかに歪ませることで、彼のシグネチャーとも言える温かく透明感のあるサウンドを作り出しています。
Gary Moore(ゲイリー・ムーア)
彼は、ロックからブルースまで、多岐にわたるジャンルでのプレイにTS-9を使用していました。特にブルースのソロ時、アタックの効いた力強いトーンを生み出すために、このエフェクターを使っていました。
使用メリットの共通点
これらのギタリストたちがTS-9を愛用する最大の理由は、エフェクター単体での音色の良さはもちろんのこと、他のエフェクターやアンプとの相性の良さにあります。
それぞれのプレイスタイルに合わせてカスタマイズ可能なので、多くのプロギタリストたちがTS-9をステージやレコーディングでの必須アイテムとしています。
Ibanez Tube Screamer TS-9をアコギで使う
番外編として、筆者はアコースティックギターのデュオでソロを弾くときに、TS-9のゲインを0にしてブースターとして使っています。
以前のようなボリュームペダルでボリュームを大きくするという方法だと音抜けが悪く、さらにボリュームを大きくしようとするとローが出っ張ってきてハウリングを起こすということがよくありました。しかし、TS-9を使うと中音域がグッと前に出てボリュームを必要以上に上げなくても気持ちよく音が抜けるようになります。
TS-9をオンにして単体でギターを弾くと、アコースティックの持つ綺麗な高音部分が消えて音が太く籠ってしまいイマイチに感じてしまうのですが、実際のアンサンブルの中でどう聴こえているのかな?と思い録音して客観的に聴いてみました。すると、これがアンサンブルの中ではもう1本のアコギのコードストークの高音ともカホンの低音とも両方被らず艶のあるマイルドなギターの音だけがタイトにド真ん中から際立って聴こえてきて個人的にはとても気に入った音となりました。
今でもアコギでスピード感のある曲のソロを弾くときはTS-9踏んでます。
まとめ
Ibanez TS-9 チューブスクリーマーは、ギターエフェクトペダルの中でも特に名高い存在であり、その独特のサウンドは多くのギタリストから絶賛されています。
このペダルの音色は、中域が際立つ特性を持ち、アナログ機器の真空管のような自然で暖かいオーバードライブサウンドを生み出します。特にチューブアンプとの組み合わせは絶妙で、ナチュラルな歪みからしっかりとした歪みまで、非常に幅広い表現が可能です。
また、ギターのヴォリュームポットを操作することで歪みのダイナミクスを操作したり、他のエフェクターと合わせることで、多彩な音作りが楽しめるのも魅力。
多くのギタリストに愛され続け、レビューにもありますようにソロをブーストしたときにとても気持ちのいい音を出してくれるエフェクターであることは間違いないです。
中音域がブーストされることで、バンドのアンサンブルの中に埋もれることなく、ギターの音をタイトに持ち上げてくれます。
是非、1台はギタリストとして持っておいても良いのではないでしょうか。
本当におすすめです。