今回ご紹介するのは、Line 6の最新マルチエフェクター「HX Stomp XL」です。
このモデルは、ギタリストのニーズに応えるために設計された非常に優れた機材で、Helix譲りの強力なDSPチップとHXモデリングエンジンを搭載し、プロフェッショナルなサウンドを再現してくれます。
さらに、8つの多機能フットスイッチを備え、直感的な操作が可能であり、ライブパフォーマンスから自宅録音まで、あらゆるシーンで使用することができます。
この記事では、HX Stomp XLの主な特長を詳しくレビューし、その素晴らしい性能と利便性についてご紹介します。
パワフルなDSPチップとHXモデリングエンジン
まず、HX Stomp XLのリアルなサウンドに驚かされます。このモデルは、Helixと同じDSPチップとHXモデリングエンジンを搭載し、300種類以上のアンプ、キャビネット、エフェクトを収録しています。以前使用していたBOSS GX-100と比べて、音の解像度が格段に向上している上、アンプサウンドは非常に強力で、クリーントーンから歪みまで幅広く対応しています。真空管アンプのような温かみのある音から、透明感のあるクリアなトーンまで、どのサウンドも素晴らしいです。
ギター1本でも説得力のある密度の濃いアンプモデリングは、アンサンブル内においても強い存在感を示してくれます。ドライブサウンドは強く歪ませても前に出てくるので、ライブ感が非常に良いです。
多機能フットスイッチ
HX Stomp XLのフットスイッチは8つに増えて、多機能で非常に便利になっています。
バンク切り替えやプリセット選択が楽になりました。フットスイッチ1~6に割り当てられたエフェクトがそれぞれのカラーで表示されるため、視認性が高く、ライブやリハーサルでも現在の状態を理解しやすくとても有難い機能です。
さらに、MODEスイッチを1秒間長押しするとペダルエディットモードになり、現在のサウンドを構成しているシグナルフロー全てのパラメータを編集できるので、立ったままでも微調整が可能で、非常に現場向きの仕様となっています。
スナップショットモード
HX Stomp XLのスナップショットモードは、曲中の転調にスムーズに対応できる機能で、各音色に名前やスイッチの色を設定でき、直感的な操作が可能になります。
ライブではプリセットを演奏順に登録し、スナップショットモードでBANKスイッチをプリセット切り替えに設定すれば、スナップショットモードのまま曲順に進めることができます。
また、HX Stomp XLのハーモナイザー機能は、ペンタトニックスケールが使用できる点が大きく、スナップショットモードで曲中の転調にも対応できるため、GX-100では対応できなかった部分を見事にカバーしています。
この機能のおかげで、ライブ演奏が一段とスムーズになり、音質の良さにも驚かされます。
コンパクトなサイズと持ち運びやすさ
HX Stomp XLは、コンパクトなサイズでありながら、非常にパワフルな性能を持っています。全ての入出力端子が背面に統一されているため、ケーブルのレイアウトがすっきりと整えられます。また、マスターボリュームノブは一度引き出して設定し、もう一度押すと中にしまうことができるので、演奏中にうっかり触れてしまう心配がありません。
サイズ感としては、HX Stompと比べて高さと奥行きは同じくらいですが、横幅と重さが2倍くらいになります。それでも、持ち運びがしやすく、ライブやリハーサルに最適です。HX Stomp XLは、その多機能性と持ち運びやすさから、Helix Floorの代替としても非常に優れています。
HX Edit対応
HX Stomp XLは、HX Edit対応で音作りが非常に楽になります。PC上で簡単にエディットができ、音作りの効率が大幅に向上します。
HX Editを使用することで、エフェクトの選択や編集が直感的に行えます。また、HX Stomp XLにはコマンドセンターという機能があり、フットスイッチに様々な役割を割り当てることができます。ホットキー機能を使えば、例えばYouTubeの再生停止や早送りなどの操作をフットスイッチに割り当てることができ、ギターから手を離さずに練習ができます。
デメリット
サイズと重さ
HX Stomp XLは非常に多機能でパワフルなモデルですが、そのためにサイズと重さがHX Stompと比べて約2倍になっています。このため、ペダルボードに組み込む際にスペースを取ってしまうことがあります。コンパクトなセッティングを求める方には、少し大きく感じるかもしれません。
操作性の複雑さ
多機能であるがゆえに、最初の設定や操作方法を習得するまでに時間がかかる場合があります。特に、初めてマルチエフェクターを使用する方にとっては、操作性の複雑さがネックになることがあります。また、ホットキー機能についてはPCが使えない人には難しいと感じるかもわかりません。多くの機能を活用するためには、マニュアルをよく読み、使いこなすための時間をかける必要があります。
価格
HX Stomp XLは高機能で高品質なエフェクターですが、その分価格も高めです。他のマルチエフェクターと比べても、かなりの投資となります。そのため、予算を重視する方にとっては、購入を検討する際に慎重になる必要があります。
まとめ
HX Stomp XLは、その多機能性とパワフルな性能から、ライブや宅録、リハーサルなど様々なシーンで活躍すること間違いなしです。Helix譲りの強力なDSPチップとHXモデリングエンジンにより、驚異的な音質と幅広いサウンドオプションを提供します。
8つの多機能フットスイッチは、パフォーマンスの自由度を大幅に高め、直感的な操作が可能であり、スナップショットモードやHX Edit対応により、音作りの幅が大きく広がります。
デメリットとしては、サイズと重さ、操作性の複雑さ、価格が挙げられますが、それらを上回るメリットがあると感じました。
ギタリストの皆さん、ぜひ一度このHX Stomp XLを試して、その優れた性能と利便性を体感してください。